コケた方が早い
2021.2.20
先日、家族でスケート場へ。
遊園地のスケート場だったので、家族連れが多かったですが、そのうちのとある家族の光景を見て。
娘さんに「コケないようにしなさい!!」と半ギレ気味に指示するお母さん。
いやいや違うんです。
コケていいんです。
コケないとスケートなんてうまくならないんです。
技術がない状態でコケないようにすると人間どうなるか。
膝も腰も真っ直ぐなマッチ棒みたいになり、全身力が入りまくりでカッチコチ。
そんなフィギュアスケートの選手やスピードスケートの選手は絶対にいないはず。
元アイスホッケー部の私は
「スケートみたいな半年ぐらいガチで練習しないと楽しく滑れないものに行って、皆さん何が楽しいんだろう?」
と思います。
リラックスしろ、膝曲げろ、腰落とせ、片足のエッジに体重かけろ、インサイドのエッジで蹴れって言うのは超簡単なんですけど、実際にその感覚を身に付けるまでには回数が必要かと。
コケないと自分の限界、自分の丁度いいがわからないはず。
特に大人になればなるほど、自分がコケるイメージを明確に持てるようになるので恐怖心から余計にムダな力が入ってしまいます。
それはスケートをする上で一番邪魔なことなので、「コケてもいい」「コケても大怪我しない」と自分に思い込ませることがスケート上達の第一歩だと思います。
お母さんなりの思いやりが間違った方向に向かってしまった例ですね。
無知な思いやりは時におせっかいになってしまいます。
これはスケートの話なのですが、私はお仕事柄、コケないことだけを最優先して全然前に滑れないまんまの方にお会いすることもあります。
コケてもそうそう大怪我しないでしょうし、コケずに滑れるようになろうなんて厚かましい考えです。
コケないようにずっと手すりに手を掛けてる人より、コケてもコケても滑ろうとする人の方がかっこいいし、そういう人が滑る力を身に付けて、どんどん先に行ってしまうのは社会と一緒だな、とふと思た休日のスケート場でした。